星取山「金星太陽面通過観測の地」さるく博説明板を考える

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星取山「金星太陽面通過観測の地」さるく博説明板を考える

「長崎さるく博‘06」により、平成18年4月、星取山のバス終点に長崎市科学館とNTTの手によって「金星太陽面通過観測の地」さるく博説明板が取り付けられたのを知り、昨年5月にさっそく見に行った。説明板は写真のとおり立派なもので、下部には「観測所風景」と「望遠鏡風景」の古写真を拡大したものがある。

写真をよく見た。「観測所風景」では、施設・機器の地面と背後は明らかに違い、後は「唐八景」の山並みである。これは観測所から東方、唐八景を写している。次に右の「望遠鏡風景」だが、説明板は戸町岳の方を向いて設置されており、三角形の山は「戸町岳」と思い、さんざん比較した。しかし、どうしても山の連なりは合わなかった。

説明板の設置方向に疑問を感じた私は、星取山を一周して同じ風景を探した。山頂はNTT無線中継所が大きく占め、フェンスに囲まれ中に入れない。木立が高く山頂からの眺めはまったく得られない。

山頂東側の下手に、バス停の1つ前から入る大正寺管理「星取墓地公園」がある。ここに搭屋があり、登ると四周がよく見える。ここで撮った写真は上のとおりである。「望遠鏡風景」の背後の山並みは、戸町岳とはまったく反対側。彦山から田手原・甑岩にかけての山に間違いない。手前は三景台団地などである。彦山側視界は山頂手前、NNK中継所アンテナのある所の道路からも開ける。

今回の説明板は、「さるく博」期間中の仮設と思われ、NTT側の敷地上の問題もあるらしい。金星観測史上における長崎のフランス隊金比羅山に劣らない、アメリカ隊による観測場所であった星取山の重要さを全体が認識し、皆が納得できるような恒久的な観測記念碑が早くできないものかと考えている。
また、長崎大学工学部なども協力し、古写真から星取山の観測地点を特定できる方法はないものか。同大学が原爆被爆写真から当時の町並みを再現したニュースを見ている。
(注) 詳しくは、研究レポート第3集に収録。