宮摺導水トンネル  長崎市宮摺町宮摺川

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宮摺導水トンネル  長崎市宮摺町宮摺川

長崎市茂木から県道34号線により海水浴場のある宮摺まで行く。バス停裏から烏帽子岩へ上る林道があり、大楠の竈神社上など過ぎなお上って行くと、大カーブし谷沿いから左方へ山腹を上るようになる。
このカーブ地点から右の未舗装の道へ入り、山道を少し行くと「猿輪の滝」に着く。3段の滝下に四角い取水堰が造られ、右方の水門から47.2mの開水路があり折れ曲がって導水トンネル入口へ導かれている。

烏帽子岩に登ると雲仙などと宮摺の集落を一望でき、宮摺川「猿輪の滝」のある谷間もここから眼下によくわかる。「宮摺導水トンネル」は、延長1,542.2m。戸町岳の下を貫通しているらしいが、出口地点は確認していない。
「長崎水道百年史」長崎市水道局1992年刊337〜339頁による説明は次のとおり。

第9章 水とのたたかい   第9節 第5回拡張事業

取水方法の変更
…1964年(昭和39)9月28日から小ヶ倉水系で1日6時間の給水制限が実施された。翌10月24日からは浦上水系でも2日に6時間という厳しい給水制限が実施された。長崎市議会渇水対策協議会は現状を打開するため水源調査に動き出した。その結果、茂木宮摺川上流の猿輪の滝に新たな水源を求めることになった。早速、緊急の補水工事に着手した。
取水地点に約20㎥のコンクリート取水パックを築造し、75馬力のポンプで約40度の傾斜を、標高335mの烏帽子岩まで布設した500mの送水管を通して圧送、さらに500m下って、小ヶ倉ダム上流の鹿尾川に放水することとした。
この工事は1964年(昭和39)12月15日に完成し、1日2,000㎥の原水が確保された。

第1次変更事業
この補水工事により断水の危機は避けられた。しかし、緊急補水はあくまで一時的なものである。そこで、既認可工事の完成を待たず第5回拡張事業の1次変更事業の計画に着手した。
この事業は補水事業で取水した宮摺川から1日最大2,100㎥を取水し、小ヶ倉ダムに導水しようとするもので、1966年(昭和41)6月に着工し、翌1967年(昭和42)3月に完成した。
この宮摺川取水計画の概要は、補水工事で取水した宮摺川の上流”猿輪の滝”近くに取水堰を設け、取水した原水を開水路(延長47.2m)と、戸町岳中腹に掘削した導水トンネル(幅1.8m、高2.0m、延長1,542.2m)により小ヶ倉ダムに導水しようとするものであった。
1966年(昭和41)6月8日起工式を行い工事に着手したが、予想を上回る難工事で、翌1967年(昭和42)1月19日に導水トンネルが貫通、同年5月1日通水式が行われた。式では、在任期間16年、水に苦しんだ田川務市長が、最後の仕事として取水堰の取水扉を開いた。