都呂々のアコウ 天草郡苓北町都呂々
長崎・天草ライン富岡港フェリー乗り場から下田温泉の方へ向かう。志岐近くから国道389号線に入り、九州電力苓北火力発電所の先が苓北町都呂々だが、登録樹のアコウは、まだ先の「妙見の滝」手前となる小松集落の民家にある。国道から左手の高台に見える。根元の不動明王は見忘れた。
最後の3枚は、本集落の都呂々小・中学校の校庭にあるアコウ。この木も大きかった。
熊本県自然保護課「ふるさと熊本の樹木」資料による説明は次のとおり。
登録番号 No. 3 登録 昭和57年12月1日
都呂々のアコウ
所 在 地 天草郡苓北町都呂々1899
登録時の状況 樹令 300年 幹の太さ 4.9m 樹高 10.0m
枝張り 南北8.0m×東西8.0m 樹幹 太枝分岐 樹勢 中
アコウは、クワ科の常緑高木で亜熱帯樹木の代表的な樹種の一つであり、枝を折ったり、幹を傷つけたりすると粘り気のある白色の浮液を出す。天草には海岸線に点在して見られ、防風用として海辺の集落周辺に植栽されたものが多い。この木もその1本であるが、幹や枝から木根を垂らしており、いかにも熱帯らしい景観を呈している。
この樹の皮を風呂に浮かして入ると傷をいやすと伝えられ、かつては附近の人々が傷薬としてもらいに来ていたそうである。また、樹の下部はくり抜かれており、庭の方を向いて不動明王(縦50cm×横20cm)が祀ってある。これは60年程前に故木山道彦氏が祀ったものである。