櫃崎(ひつさき)岩脈 松浦市福島町浅谷免字櫃崎
福島大橋を渡り福島町の中心へ出て島内を西外回りする県道103号線に入る。浅谷の分岐標識を過ぎ、まだ県道をしばらく行くと、写真のとおり三叉路に「櫃崎岩脈」の大きな説明板がある。左折して案内標識に従い、愛宕山の西下となる駐車場まで下る。
櫃崎海岸までは歩いてすぐ。砂岩台に直線・板状の玄武岩岩脈が走り、先に長径15mの楕円形の塊の玄武岩が盛り上っている。マグマが岩石の割れ目に入って凝固し、周辺が漏斗状に広がった極めて稀な現象で、地質学上価値が高く県指定天然記念物である。
長崎県HP「長崎県の文化財」による説明は次のとおり。
櫃崎(ひつさき)岩脈 県指定天然記念物
指定年月日 昭和54年4月27日 所在地 北松浦郡福島町浅谷免字櫃崎
所有者 福島町漁業協同組合
福島町浅谷北方の櫃崎海岸には、佐世保層群柚木層の砂岩を主とする地層が露出し、南北の走向をもち、西へ15°傾斜する。波食台に露出する砂岩層を横切るN80°W方向の幅約70cm、延長約30mの板状の玄武岩岩脈の先に、長径15m、短径11mの玄武岩のこぶ状の盛り上がりがあり、平面的には楕円形をなす。岩体の周縁部は、幅約1m(90〜120cm)の急冷相を示す多孔質の玄武岩が突出する。
中心をなす直径約6mの岩体は、上半部が緻密な玄武岩であり、柱状節理が発達するが、下部は角礫状となる。周縁部の柱状節理から判断すると、深部は内側に向けて収縮し、断面では漏斗形をしているるものと判断される。
直線状の板状の岩脈は珍しいものではないが、一般的な板状岩脈の一部が、この岩脈のように漏斗形(逆円錐形)を呈するのはきわめて珍しい現象である。