小川内のスギ  神埼郡吉野ヶ里町小川内  

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

イメージ 10

イメージ 11

イメージ 12

イメージ 13

小川内のスギ  神埼郡吉野ヶ里町小川内

「さが名木100選」の木をやっと訪ね終えた。ホッとして佐賀県HP「佐賀県天然記念物の部」を見ていたら、「小川内のスギ」「早里のイスノキ」が県指定天然記念物なのに、100選の木に選ばれていない。
他の木は、すべて100選の木となっているのに、なぜこの2本は選ばれなかったのか。「小川内のスギ」は福岡県側での五ヶ山ダム建設により、伐り倒されるような運命にあり、少しは事情はわかるが、今のうち訪ねないわけにはいかない。

吉野ヶ里町小川内は、福岡県境をなす東脊振の山奥である。長崎自動車道「東脊振IC」で降り、福岡那珂川へ行く国道385号線へ入る。前は坂本峠越えしていたが、今は東脊振トンネル(トンネル部分が有料道路)ができ便利になった。
ぐいぐい山手へ登る。途中に吉野ヶ里恵みの直売所「さざんか千坊館」展望台がある。トンネルを越して少し下り、県境「佐賀橋」から左折する。小川内の方へ県道136号線を進み700mほどで、山祇神社前に着く。

佐賀橋に案内はなかった。一帯で大々的にダム建設工事が行われていた。スギがどうなるかは確認していない。早く訪ね写真に残していて良かった。
佐賀県HP「佐賀県天然記念物の部」による説明は次のとおり。

小川内の杉(おがわちのすぎ)

県指定天然記念物/昭和31年3月1日指定
神埼郡吉野ヶ里町小川内   植物
神埼郡吉野ヶ里町小川内は、脊振山の東面、標高約400mにある山村で、福岡県との県境に位置している。この山村にある山祇神社(やまずみじんじゃ)の境内に、スギの巨木がそびえて立っている。
この小川内のスギは、大小3株からなっており、根元でお互いにくっつき合い、癒着しており、その根回りは13.5mにも及ぶ。また、樹高は27mと高く、3本の巨大な主幹が、そろって垂直に天をつくように伸びており、その姿は壮観であると同時に、極めて美しいものがある。
小川内のスギは、山祇神社の神木として、長い間、村民に大切にされ、今日まで保護されてきたものであり、県内において、まれに見るスギの巨木として優美な姿を持つのみでなく、3株が癒着し同一根となっている珍しい存在でもある。

(2016年3月7日 追 記)
ブログ「たけさん日記 パート2 自然派集合」の次を参照。天然記念物の大杉は、7億8千万円をかけて杉を倒さず根掘りしたまま持ち上げ、目的場所の高台に移設された神社の近くに移植する工事が始まっている。
五ヶ山ダム建設のため御神木の大杉移植  http://blogs.yahoo.co.jp/denkan_takeo/46837170.html?vitality

佐賀新聞LiVE 2015年6月19日の記事は、次のとおり。

県天然記念物「小川内の杉」 移植に7億8600万円 220メートル先 佐賀側の負担金なし

ダム建設に伴う水没を避けるため、移植されることが決まっている佐賀県指定天然記念物「小川内(おがわち)の杉」(神埼郡吉野ヶ里町)について、佐賀県教育委員会は、事業主体の福岡県が申請している移植場所や工法を許可した。事業費は7億8600万円で、来年5月末ごろに完了する見込み。

小川内の杉は、福岡県との県境の小川内地区の山祇(やまづみ)神社境内にあった神木で、樹齢700〜800年とされる。3株の杉が根元で癒着しており、樹高39メートル、根回りは13・4メートル。地元が移植保存を望んできた。

五ケ山ダム建設を進める福岡県は地元との協議の結果、先に移転している山祇神社の横を移植場所とした。高さ43メートル、南に220メートル移すため、山の斜面に盛り土をしてレールを敷き、10メートル四方の鋼製の箱に杉を入れて動かす工法を提案した。

主な事業費の内訳は、杉の引き上げ作業に4億6700万円、盛り土やレール敷設の搬送路設置に3億1800万円となっており、佐賀県側の持ち出しはない。

県教委は、土木や造園、樹木学の専門家を交えて検討し、今月15日に県天然記念物の移植に必要な現状変更許可を出した。文化財課は「移植後1年間は樹勢をモニタリングする計画も含まれており、文化財としての価値を維持できると判断した」と説明している。これほど巨木の針葉樹の移植作業は「全国的にも聞いたことがない」という。