長崎開港史に関する文献類 古賀十二郎氏著「長崎開港史」ほか
前記事「旧・「長崎開港旧町」の石垣 長崎開港当時の旧6ヶ町一帯」に関連し、布袋厚氏著「長崎石物語」長崎文献社2005年刊42〜43頁以外の、長崎開港史に関するわかりやすい文献類を少しまとめて載せる。
・古賀十二郎氏著「長崎開港史」 同翁遺稿刊行会 昭和32年刊 18〜19頁
・江越弘人氏著「トピックスで読む 長崎の歴史」 弦書房 2007年刊 78〜79頁
・長崎市史編さん委員会編「わかる!和華蘭 『新長崎市史』普及版」 長崎市 平成27年刊 38〜39頁
古賀十二郎氏著「長崎開港史」同翁遺稿刊行会昭和32年発行の19頁は、次のとおり。
b 田辺氏は、長崎の町建が戦国時代にできた事など全く閉脚し、且つ大村純忠が町建着手に先ち、計画や設計に苦心した事には、いさゝかも理解をもつてゐなかったものと考へざるを得ないのです。大村氏は、長崎の町建に先ち頻に考案を練り、特に神父メルショウル・デ・フィゲイレドはもとより、家臣朝長対馬、長崎純景などとも協議した結果、町割の設計を定めたものでありませう。そして、朝長対馬は、土木事業や建築の事に長けてゐた人物であつたでせう。
随って、長崎最初の六町は、田辺氏の云うやうに「年々出来せし町筋」ではなく、町建着手より約半歳ぐらゐで完成または完成に近かつたもので、まさに大成功と称すべく吾邦の他の都市にして、斯くまで秩序ある準備を整へ、斯くまで速に建設されたものは、その類例が無いと思ひます。これは、確に長崎草創の一特色であると考へざるを得ないのです。