川辺の大クス 南九州市川辺町宮
鹿児島県教育委員会HPの「鹿児島県の文化財」による説明は、次のとおり。
川辺の大クス
【所在地】南九州市川辺町宮 4773
【種 別】県指定天然記念物
【指定年月日】昭和 31 年9月 27 日
川辺町宮の飯倉神社境内の入口右側に,樹齢 1,200 年といわれる大きなクスノキがある。この大クスは高さ約 25m,根回り 25m,目通り周囲は 13m で根元には六畳敷きほどの大きな空洞があり,根元の一部は枯死して上部が腐朽してなくなっているので,2本のクスのように見える。しかし枝葉は比較的よく繁茂し樹観もよく,「蒲生のクス」,「志布志の大クス」,「塚崎のクス」と並んで,鹿児島県を代表する老大樹である。また幹や枝には,ボウラン,キバナノセッコク,コバノガマズミ,ムクノキ,ネズミモチ,イタビカズラやシダ類など多くの植物が着生している。
このクスノキは,大正8(1919)年に国の天然記念物として指定されたが,落雷により幹が裂けたこともあって指定が解除され,その後,県指定の天然記念物となった。一時樹勢が衰えていたが,枝打ちなどの処理により現在では若芽が出るほど回復している。また神社の境内はスギを主とした樹林で,タブノキやイチョウなどの大木が見られ,周辺の地中からは古墳時代の土器片等も採集されている。