上野原遺跡 霧島市国分上野原縄文の森
鹿児島県教育委員会HPの「鹿児島県の文化財」による説明は、次のとおり。
上野原遺跡
【所在地】霧島市国分上野原縄文の森
【種 別】国指定史跡
【指定年月日】平成 11 年1月 14 日
鹿児島湾(錦江湾)に面した霧島市に所在し,標高 260m の台地上に位置する遺跡。上野原遺跡は,縄文時代早期前葉(約 9,500 年前)と後葉(約 7,500 年前)の時期が注目される遺跡で,いずれも上野原テクノパーク建設に伴って発掘調査され,4工区(前葉)の集落跡は平成 11(1999)年に国指定史跡に,3工区(後葉)の出土品は平成 10(1998)年に国の重要文化財(考古資料)に指定された。
4工区(前葉)は,平成7,8(1995,96)年度に発掘調査が行われ,約 9,500 年前に降下した火山灰の上下に,2条の道筋に沿う 52 軒の竪穴住居跡を中心とした集落が確認された。住居群とともに調理施設である 39 基の集石遺構や 16 基の連穴土坑が有機的に繋がって集落の全体を構成する。南九州における定住化初期の様相を典型的に示す大集落であり,日本列島の開始期の遺跡として重要な遺跡の一つである。
3工区(後葉)は,平成3,6(1991,94)年度に発掘調査が行われ,約 7,500 年前の壺を含む土器類,石器類とともに土偶や滑車形耳飾りなど,多彩な遺物で構成される。これらは,縄文時代早期の南九州における文化の先進性を物語る貴重な資料である。