長崎の幕末・明治期古写真考 長崎古写真 長崎港
長崎大学附属図書館幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
NAGASAKI GENEI
長崎古写真 1896年長崎港
■ 確認結果
「NAGASAKI GENEI」というサイトがある。ウェブ検索でなかなか表れないが、長崎の貴重な古絵葉書や古写真を多数、公開されている。
タイトル以外、特に説明がない。撮影地など一般にわかりにくいものを、取り上げ考えてみる。
長崎古写真の中にある「1896年長崎港」は、長崎港口の風景。左の山は天門峰である。
海上からの撮影と思われそうだが、船は揺れる。当時の写真機ではまだ無理だろう(スケッチはできる)。必ず陸地に撮影できたポイントがある。
長崎大学データベースには、この面で誤って「海上から」などとしているタイトルが多い。
現在の写真は、小ヶ倉埠頭から写してきたが、「1896年長崎港」の撮影地は、長崎市小ヶ倉支所後ろに、現在は埋め立て陸続きとなっている小島の「小ヶ倉神社」高台からか、島の瀬からと思われる。
ここに立たないと、天門峰と背後の山の稲佐山や福田ゴルフ場の稜線の重なりが合わない。
現在は完全に写せる場所が、どうしても限られる。