長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:6292 出島スタジオのコロエス (再掲)
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
目録番号:6292 出島スタジオのコロエス
〔画像解説〕 ボードインコレクション
カピタンハウスの門の前と思われる場所で撮影された二人のオランダ人です。左の人物はD.T.クロエス(タイトルは「コロエス」?)であることが分かっています。写真撮影のためでしょうか、チョッキに蝶ネクタイをつけた正装です。ここに写されているテーブルは出島スタジオの写真にたびたび登場します。 -6292-
■ 確認結果
目録番号:6292「出島スタジオのコロエス」は、長崎大学附属図書館企画・編集「長崎大学コレクションⅡ ボードインアルバム 外国人が見た幕末長崎」2011年発行の16〜17頁に掲載されている。同解説は次のとおりで、人物名は「D.T.クルーズ(右)」と「E.ピストリウス(左)」が正しいとわかった。
https://misakimichi.com/archives/3251
18 クルーズとピストリウス
オランダ領事館の門の前と思われる場所で撮影されたオランダ人。D.T.クルーズ(右)とE.ピストリウス(左)である。このテーブルは出島スタジオ写真にたびたび登場する。
撮影者/A.F.ボードイン 撮影年/1865年頃
サイズ/135mm×120mm 目録番号/6292
今回、古写真考とするのは撮影場所。「カピタンハウス」や「オランダ領事館」の門の前と思われる場所で撮影されたと説明している。
もちろん出島内のことで、仮設の「出島スタジオ」ではない。ボードイン博士や弟、A.J.ボードイン領事は、出島のオランダ領事館(旧商館長の邸宅)に住んでいた。
データベースには見当たらないが、撮影場所の同じ写真が、朝日新聞社「写真集 甦る幕末」
1986年発行177頁に掲載されている。
解説は「兄のボードワン医師(中央)と弟の領事(右下)ら」。これ以外の説明がない。
詳細は不明だが、同じ撮影場所であろう。目録番号:6292が同じ時の写真か、また「上野彦馬撮影」との解説(甦る幕末)もあり、正しく調べてもらいたい。