長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:3241 中島川の常夜灯(1) ほか
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
目録番号:3241 中島川の常夜灯(1)
目録番号:3250 中島川の常夜灯(2) (同写真 掲載略)
目録番号:6666 中島川の常夜灯(4)
(常夜灯の場所作品)
目録番号:3802 中島川と上野彦馬邸(5)
目録番号:5640 中島川と上野彦馬邸(6)
〔画像解説〕
中島川上流、銭屋川の上野彦馬邸(左側の大木が見える白塀の家)前。石の常夜灯(昭和57年の長崎大水害で流失)の左が中島聖堂である。彦馬の家の河原は流水を調整するためか、井堰が見える。左の人物は人力車用に敷石で舗装された車道に立っている。後方のとがった山は豊前坊、稜線は右の英彦山へと続く。
■ 確認結果
目録番号:3241「中島川の常夜灯(1)」など3作品は、〔撮影者:上野彦馬〕ではないだろうか。
馬場章氏編「上野彦馬歴史写真集成」渡辺出版2006年刊93頁に、「96.中島川の常夜灯」として掲載されている。同解説は次のとおり。
所蔵者「長崎大学附属図書館」なら、目録番号:3241「中島川の常夜灯(1)」の作品だろう。
96.中島川の常夜灯
長崎市内を流れる中島川とその河畔に建つ常夜灯を撮影した着色写真。中島川は長崎市の中心を流れているが、上野彦馬邸もこの川の河畔に建てられていた。
撮影者 上野彦馬 撮影・流通年 撮影年未詳 所蔵者 長崎大学附属図書館
撮影場所は、次の目録番号:3802「中島川と上野彦馬邸(5)」と、目録番号:5640「中島川と上野彦馬邸(6)」に、同じ常夜灯と川の渡り石など写っている。上野彦馬邸前にあった石の常夜灯(昭和57年の長崎大水害で流失)を撮影したのであろう。
現在の写真は、中島川畔の「上野撮影局跡」モニュメントがある場所から写した。現在、桃渓橋近く「二股」の所に常夜灯があるが、ここの常夜灯ではない。