「ふるさと」の古写真考 P.68 深堀の武家屋敷(昭和38年)

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「ふるさと長崎市」の古写真考 P.68 深堀の武家屋敷(昭和38年)

長崎市制施行120周年記念写真集「ふるさと長崎市」(長野県松本市(株)郷土出版社2008年12月刊)に収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。
確認が済んだものをその都度、最新の写真の状況を添えて報告したい。気の向くままの調査のため、掲載順は不同である。

懐かしき風景・街並み  P.68 深堀の武家屋敷(昭和38年)
〔写真説明〕
江戸時代、深堀鍋島家(石高5500石)はこの地一帯を支配、佐賀藩の家老職を務めた。写真の屋敷は、同家の三番家老樋口家の屋敷で、深堀の城下町の入口に位置していた。かつてこの一帯は武家屋敷が建ち並び、独特の景観であったが、現在ではこの樋口家と数軒を残すばかりである。(撮影:松尾○○氏)

■ 確認結果
深堀武家屋敷跡。1997年「深堀の石塀」で長崎市都市景観賞受賞。史跡案内坂は長崎市深堀支所入口近くの通りにあるが、三番家老樋口家の屋敷は、長崎市立深堀小学校の正門近くにある。
樋口家は最初の写真のとおり、建て替えられて数十年は経つ。ほかの屋敷も同じで、現在では古い屋敷はどこもなく、石塀と門構えを数軒が残すだけとなっている。現状の適切な説明を願いたい。深堀鍋島家の石高は、ほとんどの資料では6000石となっている。