長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:3939 高鉾島(35) ほか
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
目録番号:3939 高鉾島(35)
目録番号:4727 高鉾島(41) 関連作品:2865 高鉾島(12)、5623 高鉾島(33)
■ 確認結果
長崎港口の「高鉾島」関係。目録番号:3939 高鉾島(35)と坂段がある構図の目録番号:4727 高鉾島(41)、関連作品:2865 高鉾島(12)、5623 高鉾島(33)とも、これが現在の神の島教会から撮影された高鉾島の光景である。
高鉾島の奥が小ヶ倉で大久保山、その背後に熊ヶ峰から八郎岳への長い稜線が続く。2枚目の古写真には、高い坂段を上がり、石垣の角に座って景色を眺める人がいる。
神の島教会の石垣を見ると、この坂段の跡が写真のとおり、現在も残っている。神の島教会は明治14年(1881)に木造教会が建てられ、更に明治30年(1897)にレンガ造りとなり、 昭和36年(1961)増改築されて今日の姿となっている。
坂段を改修したのがいつかは不明だが、位置からすると現在の礼拝堂の入口あたりから、いずれも撮影された古写真と思われる。
神の島教会には、高鉾島を向いて「高鉾島殉教者顕彰碑」がある。