馬渡島の番所ノ辻にある明治22年建「緯度測定標」  唐津市鎮西町

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馬渡島の番所ノ辻にある明治22年建「緯度測定標」  唐津市鎮西町

HP「三角点の探訪」を制作、近代測量史研究の京都市上西先生から教わり、昨夏の長崎県壱岐島の岳ノ辻にある「緯度測定標」に続き、3月7日に佐賀県馬渡(まだら)島の番所ノ辻にある明治22年建「緯度測定標」を確認に訪ねた。
佐賀県唐津市鎮西町の馬渡島は、呼子港から名護屋港を経由して船で30分。島内の一番高い山が「番所ノ辻」である。整備された車道が山頂まで通じているが、港から交通手段がなく、歩いて約70分を登る。

「番所ノ辻」山頂に展望台と烽火台跡があり、標高237.9mの一等三角点傍らに「緯度測定標」の標石があった。上面に方角の「十」、正面「緯度測定標」、左面「水路部」、右面「明治廿二年六月」と刻む。寸法は、23cm角、高さ40cm。
明治21年(1888年)6月27日、海軍水路部が単なる「水路部」と改称した。それ以降に海図を作るため経緯度の天測を行った測定標と思われる。

長崎県壱岐島の岳ノ辻にある「緯度測定標」は、次項を参照。壱岐のは「明治廿二年二月」建である。 https://misakimichi.com/archives/1267
この中の「全国地図測量史跡」全文紹介にあるとおり、「水路部」の経緯度天測標は、全国でも現存するのは、次のとおりしかない。北海道小樽市(「水路部」「明治二六年一〇月」)にも現存しているらしいが、未調査とある。
①新潟県三島郡出雲崎町岩舟町1592 妙福寺 ②島根県浜田市大辻町235ー3 旧浜田測候所 ③秋田市千秋北の丸2番 秋田和洋女子高校グラウンド敷地内 ④佐賀県唐津市鎮西町馬渡島 ⑤長崎県壱岐市郷ノ浦町永田触(壱岐島・岳ノ辻)

佐賀県馬渡島は、上西先生もまだ訪ねられていない。馬渡島番所ノ辻に残る「緯度測定標」の写真は、同「全国地図測量史跡」中の舘沢省吾氏撮影1枚以外、HPでは見当たらない珍しい写真となるので、詳しく紹介しておきたい。
「馬渡島のホームページ 自然のみどころ」による番所ノ辻の説明は次のとおり。

番所ノ辻

馬渡島での最高峰で、標高は、237.9mです。火山の跡といわれています。幕末の黒船来襲を恐れていた頃は、ここに沿岸防備のために遠見番所を設け、黒船を発見すれば烽火をあげて名護屋の大庄屋に知らせ、名護屋からは唐津城まで早馬を走らせていたと言うことです。この烽火の跡が展望台のすぐ北側に残っています。
また、日露・太平洋戦争の時は壱岐水道の見張所だったそうです。

番所ノ辻からは、360゜の展望がききます。北には約25km隔てて長崎県壱岐が見え、南には約10kmの地点に肥前町向島が見え、東には松島と加唐島が見え、西には長崎県の的山大島が見えます。玄海の原子力発電所も南東の方向にはっきりと見えます。
普段は空気があまり澄んでいないので見えませんが、空気が澄んでいるときは、壱岐の後方に対馬が見えますよ。馬渡島に来られたらぜひとも番所の辻から一望してください。