新魚目曽根火山赤ダキ断崖 南松浦郡新上五島町曽根郷
新上五島町青方から県道170号線により奈摩に出、奈摩湾沿いに行くと新魚目から津和崎への県道32号線と合う。湾沿いに県道を進み、青砂ヶ浦教会を過ぎ曽根の集落から白草峠まで上ると、この県道下の断崖が「新魚目曽根火山赤ダキ断崖」である。
海岸には灯台の格好をした新魚目町「海のふるさと館」と漁港があり、下の海岸まで降りると赤ダキ断崖の全容が眺められる。
国指定重要天然記念物。長崎県HP「長崎県の文化財」による説明は次のとおり。
新魚目曽根火山赤ダキ断崖 国指定天然記念物
指定年月日 昭和53年3月31日 所在地 南松浦郡新魚目町曽根郷
所有者 新魚目町
曽根火山は、番岳(標高442m)と小番岳(標高322m)との間の鞍部に噴出した玄武岩質の噴石丘であり、火山地形でいう臼状火山(ホマーテ)に属し、火口は北西に開いている。最高点は海抜143mであり、噴出時には直径およそ1kmの基底面をもっていたものと推定されるが、南側は海食により著しく削られて「赤ダキ断崖」となり、よく成層した火山砕屑物の見事な断面をあらわしている。
火山砕屑物は、上下2層に識別される。下部層は、玄武岩の岩片や黒色の岩滓を含む黄〜黄灰色の凝灰岩で、よく固結している。上部層は、地表にも広く分布する赤色の岩滓層で、多量の火山弾を含み、固結度は下部層に比べ低い。成層面は、断崖に向かって右手(東側)は東へ約15°傾斜し、左手(西側)は西へ10〜20°傾斜する。中央部の水平に見える部分は手前へ20°傾いている。