大和浜のオキナワウラジロガシ林 大和村大和浜
国文化遺産オンラインによるデータは、次のとおり。名瀬港から県道79号により大和村大和浜の大和村役場前まで向かう。国指定天然記念物「オキナワウラジロガシ林」案内板があり、役場右駐車場の奥まで進み、砂防ダムのところから滝川山の中腹へ登る。かなりきつく、急坂の木道坂段を約253段歩いた場所に大木がある。
大和浜のオキナワウラジロガシ林 やまとはまのおきなわうらじろがしりん
天然記念物 / 九州
鹿児島県
大島郡大和村
指定年月日:20080328
管理団体名:
史跡名勝天然記念物
オキナワウラジロガシは奄美大島から西表島までの非石灰岩地のみに分布する琉球列島固有のブナ科の常緑高木で、琉球列島の代表的な森林を形成している。本種の樹幹は通直で板根がよく発達し、板根は船の舵、材は建築材として利用されてきた。しかし、戦後の森林伐採により北限域の奄美大島ではまとまった森林はほとんど残されていない。
指定予定地は大和村大和浜の裏山に当たり、南東に面した谷部凹地斜面で、集落のある平坦地から急激に立ち上がった斜面である。尾根筋のスダジイ自然林に囲まれるように生育し、面積約1.5ha内に胸高直径50cm以上の個体が100本程度生育している。樹高30m近く、胸高直径1m以上の個体も見られ、よく発達した森林を形成している。対象地は通称滝川山と呼ばれる神山で、古くから集落で保護されてきた。ここは上水道施設ができるまでは水源涵養林として、また斜面崩壊から集落を守る森林として大切であった。戦後の混乱期においても、周囲の山林が伐採されたものの、滝川山は伐採を免れてきた。
このように、聖域として大切に守られてきた琉球列島の代表的森林であり、北限域の奄美大島で数少ないオキナワウラジロガシの自然林として学術的価値が高く重要である。