明神池水源 南阿蘇村大字吉田新町
熊本県HPの地域発 ふるさとの自然と文化による説明は、次のとおり。
明神池水源(みょうじんいけすいげん) 南阿蘇村
所在地 阿蘇郡南阿蘇村大字吉田新町
解説 南阿蘇村(旧白水村)の水源を探検しよう
Q:湧水があるわけは?
山の中腹に降った雨は地下にしみこみ、水を通さない岩盤などの層の上を流れていきます。明神池水源の場合、水を通さない層がどのようなものか不明ですが、地下の岩盤にそって流れる水は未固結の地層のとぎれた場所から地表に現れることになります。
○明神池名水公園
明神池水源は、旧白水村のほぼ中央に位置する湧水地で、現在、広さ752平方メートルの池となっています。湧き水は池のいたるところから吹き出しています。この明神池は、もともと約5070平方メートルもある広い沼沢湖だったのですが、昭和28年の大水害や、その後の公園整備で埋められ、現在の姿となっています。以前の明神池は水を満々とたたえ、遠くに見える南外輪が借景となり、景勝の地として知られていました。ここの湧水は飲むと子宝に恵まれるといわれ「誕生水」と呼ばれています。湧水量は毎分2トンといわれています。
湧水池を望む丘の上には群塚神社があります。この神社の祀神は阿蘇の健磐龍尊をはじめ十二神とされる阿蘇の神様ではなく天津神系の神様です。これは阿蘇地方では珍しいとされています。また公園内には明治10年、西郷隆盛を指導者として明治政府と戦った西南戦争の際に、西郷軍と戦闘した旧会津藩家老・佐川官兵衛を紹介した資料館があります。官兵衛はこの新町に寄留したといわれています。
湧水のミネラルデータは、pHが7.5、ナトリウム10.7mg/l、カリウム6.27mg/l、カルシウム27.7mg/l、マグネシウム7.62mg/lです。
参考文献
田中伸廣 『自然と文化阿蘇選書8 阿蘇山と水』 一の宮町 2000