足 摺 岬 高知県土佐清水市足摺岬
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足 摺 岬
足摺岬(あしずりみさき)は、高知県南西部土佐清水市に属し、太平洋に突き出る足摺半島の先端の岬。足摺宇和海国立公園に指定されている。
北緯32度43分24秒、東経133度1分12秒。付近にはこれより低緯度にも小島が散在し、四国本島としても、長碆(ながはえ)地区等の存在から、実際にはわずかに四国最南端ではないが、一般には四国最南端の地(岬)として認識されている。
足摺崎の読みは本来「あしずりざき」が正式呼称であったが、観光地化の進展に伴い論議を経て通称の「あしずりみさき」が正式呼称となった。
高知県を代表する観光地の一つで、JR四国・土佐くろしお鉄道の特急「あしずり」にもその名が採られている。
地 誌
足摺半島南東端に位置、黒潮の打ち寄せる断崖は約80mの高さをもつ。周囲はツバキ・ウバメガシ・ビロウ等の亜熱帯植物が密生。沖合いはカツオの好漁場。一方で台風銀座でもあり、しばしば暴風に見舞われる。
足摺半島西岸、中浜の漁師であり、幕末の政局に大きな役割を果たしたジョン万次郎(中浜万次郎)の銅像が立つ。万次郎の遺品や当時の捕鯨・航海についての資料を展示した「ジョン万ハウス」も、岬から500m西に設置されていたが、建物の老朽化により、2006年(平成18年)4月、あしずり港内にある「海の駅」2階へ、同ハウスにあった観光案内所は足摺岬展望入口に移転した。
各所からは日の出、日の入りが一望できる。明るく温暖な南向きの岬である。「自殺の名所」と言う暗いイメージは田宮虎彦の小説「足摺岬」に拠る所が大きく、有名になった反面、マイナスのイメージが生まれてしまった。
信 仰
南方にある浄土へ渡るという「補陀洛信仰」(→補陀洛山寺)の舞台であり、中世には紀伊(和歌山県)の那智勝浦と並ぶ、「補陀落渡海」の船の有名な出発地であった。田宮虎彦の小説「足摺岬」はこうした歴史を背景とした作品である。この小説をきっかけに、自殺が急増した時期があり「ちょっと待て、もう少し考えよ」という自殺防止用の看板が立てられた。
歴 史
・1914年(大正 3年) – 足摺崎灯台が点灯
・1955年(昭和30年) – 足摺岬国定公園に指定
・1965年(昭和40年) – 「足摺崎」から「足摺岬」へ改称
・1972年(昭和47年) – 足摺宇和海国立公園に指定変更